- 2008年2月 5日 00:46
- Review
小さいことにくよくよするな!
リチャード・カールソン著
本書は、個人的に非常に素晴しいと思っている本である。
タイトルからすると小心者、心配性のための本、あるいは、硬く構えない楽観主義を奨励する本のように見えるが、実際の所はそのような瑣末な問題ではなく、人間の器を広げるためのエッセンスが詰まっている本だ。
言わずと知れた『7つの習慣』において、「世界の創造主は、あなたである」という言葉がある。では、その概念が分かったとして、実際にどのように自分にとってよりよい世界を創造しようか?という疑問に少なからず答えてくれるだろう。
読んでみれば、驚くほど自分に当てはまる。
読んでから、実際の自分の経験として、エスカレーターの右側でオバハンが立っていてイライラした、ということを振り返ってみると、なぜ5秒にも満たない時間のためにイライラしていたのだろうか、という気になる。さらに、エスカレーターを歩けなかったために電車を逃し、さらにそのために特快を逃し、最寄り駅からのバスも遅れたとして、いいとこ30分である。その30分は、その日の一日の気分が台無しにされてしまうほどの重要な30分だっただろうか?1年後にも響く30分だっただろうか?こういったことは往々にして答えはノーだ。
その他にも、喋りたがる癖がビシバシ当てはまる。会話と言うものは人間のコミュニケーションの要である。だからこそ重要であるが、いかに自分が聞き下手、そして話し下手で損をしているかを反省する格好の機会になる。会話が得意だと思っている人こそ見直してみる価値があるかもしれない。
私見にて、この本を総括するならば、「愛」の一言に尽きる。
自己愛、他人愛を文書化した100例が本書である。自己愛なくして自らの不安やイライラを取り除くことは出来ず、また、他人愛なくしては相手の立場に立つことはできない。それはすなわち誰かの幸せを願ったり感謝の念は抱くことが出来ないということである。
こういった観点から振り返ると、自分がどれほど条件付きの愛ばかりを持っているかを痛感させてくれる。
親切のお返しは心のぬくもり、ということは誰もが経験したことがあると思う。しかし、最近それを感じたのはいつのことだろうか?何かをしてあげて、相手の喜ぶ顔が見れたらそんなに素晴しいことはないではないか。なのに損得勘定にひた走っている自分がいないだろうか?
本や映画、音楽といったものは、自分がどのようなところに集中しているかによって、感じられることも変化する。年代を重ねて面白みが増したものはたくさんあるだろう。
この本も同様、読むたびにどこかしら自分に気づかせてくれるポイントがある。むしろ、内容が具体的である分、1週間おきでさえ新鮮な驚きを得られるかもしれない。
自分も、しばらく目を通していないとどんどん自分が自己中心的になっていっていることに気づかせられる。
最後に、本書にもあるように、本書の内容を行うにはトレーニングが必要であることは忘れてはならない。それは日々の心がけともいえる。人間は、ともすると忘れがちになってしまうため、本書は寝室のサイドテーブル、あるいは玄関脇においておくことをオススメする。